(経営管理ビザ)第4回 経営管理ビザが不許可になる理由
在留資格申請について、入国管理局は、許可にするか、不許可にするかについて、広く自由裁量の権限を持っています。申請すれば必ず許可になるというものではありません。もちろん、経営管理ビザも同じです。
仮に「知り合いの人がこのようなケースで許可になった」としても、自分の場合に100%同じであることはありません。更に申請書類を作成の過程において、立証内容、記載内容、説明内容、添付書類などについて、全く同じになるわけがないので、似ているようなケースと言っても、同じく許可になる保証がどこにありません。
では、経営管理ビザが「不許可」になる理由は個々の状況によって様々ですが、大きく分けて下記2つのパターンがあります。
1.そもそも許可になるような条件を満たしていない場合
このパターンは、基本的に許可になる要件を満たしていないため、申請書類をどれだけうまく作成して、申請しても無理なので、最初から専門の行政書士に相談すれば、そもそも申請することさえしないほうがいいケースです。
①「500万円」以上の資本金を出資していない
経営管理ビザを取得する必要がなければ、会社を設立するには、資本金いくらでも問題がありません。極端にいうと、資本金は1円でもいいです。ただし、会社設立ができたと言っても、その会社で経営管理ビザが取れないので、ご注意ください。もし、経営管理ビザを取得する前提で、会社を設立する場合、一度専門の行政書士にお問い合わせください。
②「500万円」の資本金を用意できたが、出所が不透明で立証できない
一時的に500万の資金を用意できました8が、この500万円はどういった経緯で貯められたのか、資本金の形成過程を立証説明できたら一番いいです。一旦資本金に計上した後に、どこかに振り込んだりした場合、「見せ金」と判断されるので、絶対にダメです。なお、「友達や家族から借りた」ということ自体も何も問題ありませんが、きちんと送金記録や契約書などで立証する必要があります。つまり、この資本金は、怪しいお金でないことをしっかりと説明できないと、不許可になる可能性があります。
③独立性のある「事業所」が確保されていない
これは、出資要件と同じ考え方ですが、経営管理ビザを取得する必要がなければ、自宅でもバーチャルオフィスでも会社登記ができます。ただし、経営管理ビザを取得する前提であれば、借りた物件が「住居用」物件の場合、また独立性がなく、事業所としての実態に疑問がある場合など、許可が下りません。起業する際は事業所に関わる固定経費を抑えたいのがわかりますが、許可申請の明確な要件になっていますので、経営管理ビザを取りたいなら、しっかりと条件に合う物件を借りましょう。
④「事業の安定性と継続性」が認められない
500万円の出資がある場合、原則は、申請人の事業経験が不要ですが、お金さえあれば、経営管理ビザが取れるとうわけではありません。
例えば、化粧品の輸出会社を作って、経営管理ビザを取りたいとします。申請者は、500万円の資本金があるだけで、今まで化粧品輸出入関連の経験が一切ありませんが、「この人は、真面目に会社を経営する気がなくて、ただお金を出して、日本に住みたいだけじゃない」と入管に思われると、不許可になります。ここに重要なのは、事業計画書です。単に主観的に「やる気があるから、頑張って営業します」「海外で日本の化粧品が人気なので大丈夫です」など主張しても意味ありません。具体的にどのような経験や人脈を生かし、いつまで、いくらの経費をかけて、どのぐらいの売上、利益を回収できるなど細かく計画を立てる必要があります。
また、新規の申請時だけではなく、「更新許可」申請時にも審査されますので、事業の経営実態が怪しい、赤字が続くなど場合、更新の不許可にもなる理由です。
⑤活動内容が「経営・管理」の在留資格に適合していない
例えば、飲食店などサービス業を行う場合に、従業員を雇わずに、「調理」「接客」を含め、全部自分でやろうとすると、これらの業務は「経営・管理」に関する活動内容とは言えないし、単純業務になるため、不許可になります。サービス業を営んで、経営管理ビザを取得する場合、必ず接客など業務を自分ではなく、従業員を雇用してください。
⑥事業を行うには必要な許可がない
そもそも行う事業が、日本において合法的かどうかのことです。
まず、他の国で合法でも、日本ではダメの場合、例えば、麻薬の販売や拳銃の販売などです。仮に日本に合法的な事業であっても、営業許可など取得しなければならない場合、無許可のまま営業しようとすると、違法となりますので、経営管理ビザがもちろん不許可になります。
最近、注目集めているのが「民泊」はその一つです。本来、旅館業の営業許可または特区民泊の認定を受けなければなりませんが、何も許可(認可)を取得せずに、堂々と民泊仲介サイトに貸し出すような事業はダメです。特に、「日本の不動産を買ったら、経営管理ビザが取れるよ」と言っている業者がありますが、現時点で、マンションの一室だけで旅館業の営業許可を取れるのがほぼ不可能ですので(100%不可能では言い切れませんが)、ビザの取得の必要がなければ問題ありませんが、ビザ取得目的であれば、物件を購入する前に、一度専門の行政書士と相談することをお勧めします。
2.許可になる条件を満たしていますが、申請書類の作成において説明不足や誤解を生むことがあったため、不許可になる場合
この2.のパターンについて、もちろん「1.そもそも許可になるような条件を満たしていない場合」では、条件を満たしてからではなければ、許可になるのが不可能です。仮に実際の条件を全て満たしていたとしても、資本金の出所説明の各種資料や、事務所の実態を説明する不動産契約書と写真と平面図資料や、作成した事業計画書など提出しなければならないので、その提出した書類から、許可されるように立証と説明ができなければ、入国管理局のホームページに書いている書類を出すだけでは、許可にはなりません。
この場合での不許可であれば、当事務所のような専門の行政書士に依頼することによりリカバリー(許可)できる可能性もありますが、一般的には一度不許可になっていると前回の申請内容が入国管理局に記録されている以上、次回の再申請が初回申請より難しくなりますので、不安な点がある方は初回申請の段階から行政書士に依頼したほうがより許可になる可能性が高くなります。
検討段階でも大丈夫なので、一度お気軽にご相談ください。 初回相談は無料です。
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