(経営管理ビザ)第5回 経営管理ビザ更新時の注意事項

 


 会社設立して、初めて取得した経営管理ビザ通常は1年の期間の在留期間になるが普通です。そして、日本に滞在し経営管理活動を行っていますが、1年後に在留資格(ビザ)の更新手続きが必要になります。経験上では、初回1年期間→更新1年期間→更新3年期間になるパターンが一番多いです。

 また、自動的に更新されるわけではありません経営管理ビザの更新では、更新する度に、必ず審査が入ります。つまり、仮に会社設立して、1回目の経営管理ビザが取得できたとしても、更新の時に不許可になることが十分にあり得るので、悪徳な斡旋する仲介事業者や一部の行政書士等が取りあえず、許可が出やすいように虚偽の内容や、事実と違ったことなどを事業計画書や理由書に書いてしまって、初回のビザ取得ができたのに、更新ができなくなって、外国人本人が帰国せざる得ない事も多く見受けます。何回も言いますが、経営管理ビザは簡単にお金を出したら、必ず取れるビザではありません。更新が不許可になってから後悔しても、対応できる方法がないので、悪徳な業者の甘い言葉には乗らないでください。

 基本的な更新審査項目としては、外国人が日本でしっかりと経営者、または管理者としての適合性のある活動を行っているのかという観点から審査されます。では、スムーズに更新されるために、何を注意しなければならないのかをご説明いたします。


①事業の安定性や継続性

・法人の決算報告書は黒字決算であること

 経営管理ビザの更新での審査で一番重要視されているのは、決算書から判断される会社の決算状況です。その意味では、若干でも黒字決算のほうがスムーズに更新されるといえます。しかしながら、単に赤字決算という原因で、更新ができないというわけではありません。新しい設立した会社なので、初年度はビジネスモデルにもよりますが1期目は赤字になることも少なくありません。1期目について、事業内容、売上規模、経費、負債等の状況から総合的に判断されることが多いです。

 事業においては様々な理由で赤字になることが考えられるため、2期目以降も、単に赤字決算という理由で、更新が不許可になることはほとんどありません。ただし、1期目よりは審査が厳しくなることが多いので、1期目も2期目も赤字になった場合は「なぜ赤字になったか」という理由を合理的に説明し、業績回復に向けた具体的な今後1年間の事業計画書を提出する必要があります。

 


・【役員報酬】は最低でも月額20万円以上で設定していること

 経営管理ビザを取るのは外国人経営者か管理者は【役員報酬】で支払われることがほとんどのはずです。役員報酬は株主総会や取締役会で決めるものであり、小さな会社であれば実質経営者個人でその額を決められるものです。経営管理ビザの更新にあたっては、役員報酬を低い水準で設定してはいけません。たとえば、個人の節税目的、もしくは法人として利益を出すため過度に役員報酬を下げ、役員報酬を月額1万円や5万円と設定すると、審査官の立場からすれば、「この報酬で日本で生活していくのが無理でしょう?」と思われます。最低でも月額20万くらいで、日本の新卒社員と同程度でしなければ、そもそも日本での生活自体が成り立ちません。なので役員報酬を過度に下げることは、絶対に避けましょう。


・債務超過になっていないこと

 債務超過とは、企業の負債総額が資産総額を上回る状態のことで、貸借対照表の純資産合計の金額がマイナスとなります。簡単に説明しますと会社の全資産を売却したとしても借金を返済できない状態なので、一般的に倒産する可能性が高いと判断されます。

 経営管理ビザの更新においては、債務超過の状態になった場合には、まずなぜ債務超過になってしまったのかの分析や今後の事業展開について事業計画書で説明しなければなりません。そして1年以内に債務超過の状態を解消する見込みがあることと証明し、かつ、中小企業診断士や公認会計士などの企業財務の専門家による意見書(評価書)も提出する必要があります。

 なお、2期連続で売上総利益ベースで赤字であったり、2期連続で債務超過となった場合には、事業の継続性が認められず、経営者や第三者による増資等経営支援などがない限り更新は認められません。債務超過になった場合の更新申請について、ご不安がある場合は、一度当事務所までお問い合わせください。


②法令の遵守等

・法人税その他の法人に関わる納税義務を適法に果たしていること

・経営者個人としての納税義務を適法に果たしていること

 経営者個人だけではなく、法人としてもきちんと履行すべき納税義務を果たしているかどうかを審査されます。もし税法にご不安がある場合、提携の税理士事務所をご紹介できますので、お気軽にご相談くださいませ。


・労働関係法令・社会保険関係法令を遵守していること

 外国人経営者本人や雇用する従業員についても労働関連法令に基づき厚生年金加入等義務の履行も審査されるようになりました。


③経営管理ビザ更新時に不許可になる原因

・連続の2期にわたって「債務超過」だった場合

 2期連続で債務超過となった場合には、事業の継続性、安定性が認められず、経営者や第三者による増資等経営支援などがない限り更新は認められません。


・連続の2期ににわたって売上総利益がない場合

 損益計算書から判断し、2期連続で売上総利益がない場合には、事業の継続性が認められず、そもそも売上総利益(粗利)がない場合、経営自体がきちんとしているかどうか疑えられるので、更新が不許可になります。


・ 飲食店や整体院、美容室など店舗系サービズ業で、経営者以外の従業員がない場合

 経営管理ビザを取得した外国人は、原則、サービス業での接客業務をやってはいけません接客スタッフが別途にて確保されていないということは、経営者自ら接客をしていると判断されるので、更新が難しくなります。


・当初の事業計画と実際が大きく異なる場合

 現実的に、会社経営していれば、多少当初の事業計画と実際の事業の状況が大きく変わったことがあります。もちろん、当初の予測から客観状況が変わったり(旅行業をメインでやる予定だったが、コロナの影響で不動産仲介業に変えたなど)、当初の事前調査や見立てなど不十分だったりとする場合、その理由と今後の新たな計画を合理的に説明できれば、あまり影響がありませんが、当初の計画が単に経営管理ビザの許可を得るために、適当に嘘なことを書いていた場合更新するときにその矛盾を解消するのが難しくて、不許可になります。


 経営管理ビザの更新申請にあたり、決算状況や事業計画書の作成に不安がある場合は、一度当事務所までお問い合わせください。



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